「名探偵ポワロ(Agatha Christie's POIROT)」第69話「ヘラクレスの難業(The Labours of Hercules)」

凶悪犯マラスコーの捜査に失敗したポワロ。傷心を癒すべくある青年の失踪した恋人を探す事にするが、行方を追って赴いたアルプスのホテルにはマラスコーの影が…と言う話。
元々は「ヘラクレスの難業」を基にした12の短編からなる本…昔のハヤカワ版には「短編集」と書いてあった…なので、翻案と言うかその中からいくつかのエピソードをピックアップして編集したドラマとなっている。ロサコフ伯爵夫人は再登場だが役者さんも吹替えも、果てはキャラクター造形まで随分と異なっている。ドラマの演出もあるからそれはそれで良いと思うのだが、再会と別れあたりの演出を含め、ポワロの信念を揺るがすような演出が見られる。前シーズンの「オリエント急行の殺人」もそうだが、ポワロの「老い」も含めて色々と心が痛む。結局は最終話「カーテン」に繋がっていくと言う事なのだろうが、「終わり」が来ると思うと寂しいものだ。