「名探偵ポワロ(Agatha Christie's POIROT)」第66話「象は忘れない(Elephants Can Remember)」

オリヴァ夫人は作家の会合で、ある女性に奇妙な事を依頼される。その女性、バートンコックス夫人はオリヴァ夫人の名付け子、シリヤ・レイヴンズクロフトの両親の心中事件の真相を知りたいと言うのだ。オリヴァ夫人は旧知のポワロに相談するのだが…と言う話。
原作の記憶が曖昧なので丁度再読したのだが、原作とドラマでは色々と異なっている。ドラマはこれまでのシリーズに則り1930年代であり、過去の事件と現在の事件が交錯する展開となった。原作は過去の事件を「象」たちに尋ねて回り真相に到達する、会話が多い内容だけに映像化するとややメリハリが弱い作品であるから、それに配慮した演出なのだろう。やや展開に唐突感と言うか取ってつけた感が無くも無いが、原作をそのまま映像化する必要もないからこれはこれで良いとは思う。
これは言うまでも無く「名探偵ポワロ」の「ファイナルシーズン」であり、25年演じたD.スーシェの最後のポワロシリーズなわけだが、日本語版は熊倉一雄さんが何しろ年齢が年齢なのでその面でも心配であった。結果、まあ「おじいちゃん」的な声になってしまったのは仕方ないが、最後まで熊倉ポワロで視聴出来るのはうれしい事だと思う。次の「ビッグフォー」では「いつもの4人」が揃い、それも最後となるのが寂しいが、オリジナルメンバーの勢ぞろいを愉しみにしたい。