「名探偵ポワロ(Agatha Christie's POIROT)」第70話「カーテン〜ポワロ最後の事件〜(Curtain: Poirot's Last Case)」

ポワロの誘いで懐かしいスタイルズ荘に赴くヘイスティングズは、再会の喜びも束の間、病で動けないポワロから再びこの場で起こる殺人を防ぐべく協力を依頼されるが…と言う話。
サブタイトルにあるように「ポワロ最後の事件」である。結末は分かっているのに最後まで緊張感があった。原作にほぼ忠実な作りだが、「犯人」はドラマ版の方が分かりやすくなっている。その為か「犯人」が一層狡猾で残忍であるような印象も強く、病を得て衰えたように見えるポワロとの対比が明確だ。「ビッグフォー」で言葉づかいが気になったヘイスティングズだがこの話では元の通りに戻っていて安心した。行動原理も若い頃に似ており、それだけに最後の場面ではとても悲しい感情が伝わってきた。その最後の場面のポワロのセリフが心に染みいるが、これを熊倉さんの声で聞けてよかった。途中色々あったけれど、25年間楽しませてくれた良いシリーズだった。
D.スーシェのポワロはもう見られないのかもしれないが、敢えて「Au revoir」と言いたい。