佐々木少年「真月譚 月姫」10巻 アスキー・メディアワークス(B6/DENGEKI COMICS)

深夜の決戦を経て勝利をつかんだ士貴。療養を経て日常に戻ったが後悔と喪失感に苛まれていた。そしてある日、夕日に包まれた教室で…と言う話。 9巻が大幅加筆で「収まりきれなくなった」結果、全10巻となった佐々木少年版「月姫」は無事完結。アニメのタイアップとして連載が始まり早七年、と言う事は原作であるゲームはもう10年超えるのかと思うと感慨深い。アルクェイドルートにシエル・秋葉・琥珀翡翠の各ルートのエッセンスを織り込み、きれいに完結した事を評価したい。原作或いはアニメを知らないと分からない部分もあると思うし、特に遠野家の面々はルート上の問題でアルク、シエルよりは出番が控えめながら要所ではポイントを押さえており、コミカライズとしては成功した作品だと思う。エンディングだけで最終巻はどうなる、と謎であったが「eclipse」や「知得留先生&ネコアルク」などの「おまけ」も充実しており良い感じであった。前述のように全10巻、足掛け7年と結構長かったがとても楽しめた作品である。