木原浩勝「九十九怪談 第一夜」 角川書店(文庫/角川文庫)

新耳袋」に続く実録系怪談シリーズ最新作の文庫化。作者が一人になっている以外は基本路線は「新耳袋」と同じ。正直な所、玉石混交であり「怖い」感じは薄れている。やはり「怪談」は「語り」で雰囲気を出さないとダメなので、文章化するとその雰囲気を伝えるのが難しいらしい。実際問題としてネット掲示板に載ってる「怖い話」の方が文章が拙い分だけ変なリアリティがあるレベル。方向性と要件を再整理した方がシリーズのためじゃないかな、と思った第一巻であった。