ブルジョワジーの憂鬱

ある富裕な既婚者が居る。
一説によると大層な愛妻家であると言う噂のある彼は先日新車を購入した。近日中に納車されるらしいが「嫁がATしか乗れないのでMTが選べない。選択肢が少ない」と文句を言っていた。十分に裕福なのだからもう一台買えば良いのに、と私などは思うのだが「諸般の事情でそれは出来ない」との事。私などの想像のつかない範囲の自由はあるが彼が望むような無制限の放埓は許されないらしい。何を憚っているのかは良く分からない。
ちなみに、その「富裕な既婚者」氏は本日急な出張で旅立った。「いやあ困ったなあ」と言うのは口だけで、首都を楽しむ気満々なのは零れ落ちる笑みからも察する事が出来る。「(三連休中は出張先で)遊びたいが宿がない。どうしよう」と真剣に悩んではいた。
こういう話を聞くとつくづく余裕のある人はうらやましいなあ、と思う。
平凡…最近「平凡未満」ではないかという疑いがあるが、それはそれとして庶民である私には良く分からないが、お金があっても諸般の事情で思うままには使えない事もあるらしい。また、金はあるけどモノがない、と言う事もあるらしい。無い袖は振れないとも言うが、富裕でない独身者はどうすればよいのか。正直「あるだけマシ」だろと思うが、最早ここまで格差があるとやっかむ気にすらなれない。
全く神様は不公平だよ…