エラリー・クイーン「Yの悲劇」 角川書店(文庫/角川文庫)

「マッド・ハッター」と揶揄されるハッター家の当主、ヨーク・ハッターの死体が発見される。遺書により自殺と断定されたのだが、その後ハッター家では家を支配するハッター夫人の娘の毒殺未遂、そしてハッター夫人自身が殺害される。ドルリー・レーンはサム警視らと共に捜査を開始するが…と言う話。
言わずと知れた古典の名作。「マンドリン」が大きな意味を持ち、翻訳文学の難しさを示す例として挙げられる事もある作品であるが、新訳が出たので読んでみた。恥ずかしながら細かい所は忘れている部分もあった事に気付かされたが、それはそれとして文章はすっきりして読みやすかった。元の文章にもある持って回った言い回しはどうしようもないが、初めて読むには悪くない訳本だと思う。