山形孝夫「聖書の起源」 筑摩書房(文庫/ちくま学芸文庫)

「聖書」はユダヤ教徒の歴史とキリスト教徒の思いが込められた書物だが、その奥にはオリエントやギリシアの神々の姿が織り込まれている、と言う事で聖書の内容とオリエント・地中海の古代を絡めた書物である。文庫一冊なので隅々まで奥深くとは行かないけれど、逆に言えば、オリエントやギリシアの古代神話と「聖書」の関連性や類似性を一冊で平易に読めるようになっている。それぞれなじみ深い神話や聖書のキャラクターが関連してくるのは読んでいて面白かった。参考文献も記してある…多少古くて入手は難しそうだが…ので、更に奥深く進むのも楽しそうだと思った。