三田誠「レンタルマギカ 銀の騎士と魔法使い」 角川書店(文庫/角川スニーカー文庫)

京都の事件の後、アディリシアは去り、穂波と猫屋敷は協会へ「出向」したアストラル。しかし社長のいつきの下、業績を上げつつあった。そんな中、有力な結社、「銀の騎士団」がアストラルへ業務協定を申し出てくるのだが…と言う話。
前作「滅びし龍」で解体の危機に直面したアストラルと猫屋敷と穂波、アディリシアの御蔭で命拾いしたいつきが成長して新たに歩み出す第三部の第一話。陰謀やら猫屋敷の殺伐とした過去やら失われた「妖精眼」やら色々と暗くなる雰囲気の強かった前作を引き継ぎつつも、それぞれが成長して前に進む感があって、思ったほど暗く無かったので安心した。「螺旋なる蛇」の正体への手掛かりや最後の最後に出てきた「あの人」とか、本筋に関わる伏線も見られるのでそろそろクライマックスが近いのかな?