マーシャ・クラッカワー「日本人の英語力」 小学館(新書/小学館101新書)

著者は長らくNHKの語学番組に出ていた人で、それで名前に記憶があり、書店で目についたので読んで見た。
真に英語力が認められるには現地人の発音やスラングを真似るのではなく、十分な知識と教養を備えた上で、それに相応しい語彙を選び、正しい文法で丁寧に語る事こそ必要である、と言う内容を例文をもって示しておりとても説得力があった。
親戚の帰国子女が「発音よりも内容」と言った事がある…その親戚は十分「流暢」に喋る事が出来るが…のだが、日米両方の文化を知る著者が経験を通して語る文章はとても分かりやすかった。
「会話」よりもまず「読み書き」で文法を修め、美しい言葉を「聴き取り」する事が本当の英語力を身につける手段だ、と言うのは我が意を得たり、と思った。勿論私自身はさっぱり英語など分からないけれど、「読み書き」が出来るようになるのは望む所であるので、今後は出来るだけ時間を作り、名著に触れて少しでも英語力を伸ばせれば、と思えるような本であった。