広江礼威「BLACK LAGOON」9巻 小学館(B6/サンデーGXコミックス)

「El Baile de la muerte」完結編。ロアナプラを壊滅させる勢いで暴走ロベルタと米軍、ホテル・モスクワが戦闘をするが、最後の最後に彼女を救うのは王子様のキスだった、と書くとなんだか違う漫画のように思える不思議。実際の所はロベルタも含め、それぞれの過去や罪を背負った人々がそれぞれの思惑で戦うと言う血腥い話である。そろそろ作品も折り返しなのか、ベニーの過去の経歴の疑惑が明示されたりして今後の展開に影響を与える気配を見せる中、とうとうロックが「悪党」である事を指摘されて愕然とする描写が出てきた。実際の所、ロアナプラで笑いつつ善意を語れるのは「悪党」以外の何物でも無く、それを自覚した時「普通のサラリーマン」だったロックがどのようになり、どのような結末を迎えるのかは興味深いが、とても重苦しいオチになりそうな気がしてならない…