十津川にて

通常より二時間は早く起床。少し明るくなった所で宿の周辺を散歩する。

十津川と言えば小辺路野猿。吊り橋は冗談抜きで怖かった。揺れるってレベルじゃねえ。野猿はやってない。怖かったから。同様の施設が宿敷地内にもあったのでそっちはやってみた。怖かった。小辺路は昨夜の雨で状態が悪いのでちょっと歩いただけ。それにしても「何も無い」けれどそれはそれでいいな、と思った>十津川
宿に戻り、温泉に入ってから朝食。散歩の後なのでおいしかった。

熊野本宮大社

身繕いしてチェックアウト。宿の車でバス停まで送ってもらい、そこからはバスで「熊野本宮大社」へ。

今日の最初はこの石段か…と鳥居をくぐった時点で眩暈がしたが、兎に角上がる。全体に渋い色合だなあ、と思うが観光客多し。まあ観光地でもあるからな。普通に本殿にお参りして写真を撮りまくるが、あとでよくよく見ると「本殿前は写真撮影不可」とあった。青くなり巫女さんに「間違って撮影をしたんですがデータ消した方がいいのでしょうか…」と聞いたらにっこり笑って「記念撮影位ならいいですよ」と言ってくれた。巫女萌えではないのに転んでしまいそうになった。
御朱印と牛王神符を頂き、「白の稲妻」号を組み立てて、近くの大斎原へ。
ここは本宮の旧社地。今は日本で一番大きいらしい鳥居と祠がある。川の中州の森の中でさぞ厳粛な雰囲気が…と思ったら、 TV局が何かのイベントの準備していた。台無しだ。でも祠(中社、下社)にはきっちりお参りしたよ。

熊野速玉大社と神倉神社

本宮からは国道を新宮へ。大きな下りもないが大きな上りもないほぼ平坦な道なので淡々と。数kmも進むと道路工事やらがけ崩れやら、他人事ながら和歌山県の土木工事費と言うのは凄いのだろうな、と思った。途中で少し土にハマってスローダウンしたら通りがかりの御爺さんが「パンクなら乗って行きなさい」と言ってくれた。何と言う親切。パンクではないので丁寧にお礼を述べるにとどめる。後から思えば新宮まで乗せてもらってもよかったかな…
それはそれとして新宮に到着。「那智の滝まで20km」とかいう看板も見かける。しかしまずは新宮こと「熊野速玉大社」へ。

本宮とは打って変わって朱塗りの社。観光客以外は静かで結構な所である。ここから少し走って「神倉神社」。
500段以上の石段を上った先にある。かなり急な上、石段が登り辛いので麓で諦めかけたが登ってよかった。眺望絶佳ってレベルじゃねえ。何と言うパワースポット。

熊野那智大社と青岸渡寺

新宮から海沿いを走る。暑くてきついがほぼ平坦なのでそう負担でもない。道の駅について一息ついてから那智山を目指す。標高200mくらいだからまあなんとか…と思ったのが間違いだったと気付くのにそう時間は掛からなかった。何と言う坂…神倉神社と同じく、また諦めそうになった。煩悩と俗塵に塗れているからせめて汗でもかいて来い、とでもいう事なのか。なんとかかんとか登り切り、着いた所は「熊野那智大社」。

自転車を駐輪した所から更に階段がきつかった。20段も上がるごとに休むほど疲労困憊していたが、辿りついてみたら不思議に力が湧いてきた。
引き続き、隣にある「青岸渡寺」。
熊野那智大社の隣ながら色彩は随分渋い。御朱印を頂きながら御寺の人と話していたら自転車で上がってきた事に呆れられた。まあそんなもんだね。那智の滝を撮影しながら、滝までは近づけなかった(体力的に)。これは一つの心残りであり、またこないとなあ、と思った。
どうでもいい話。今回はデジカメを持ってきていて、ポケットに入れっぱなしだったのだが、山に登る際に物凄く暑くて汗をかき、その結果レンズが結露して那智山では使い物にならなかった。つまり画がソフトフォーカスみたくなってしまうのだ。と言う訳で那智山のはスマホにて撮影。広角がやや弱いけれど十分撮影出来た。便利なもんだ。

大阪へ

来る時には「もう無理」と思った那智山の坂だが、下る時には楽、というか速度出過ぎて帰って怖いレベル。しかしお陰で「乗れないかなあ」と思っていた紀伊勝浦発の特急電車に乗りこめた。これも神仏の御加護か。
自由席にしっかりと座っていたら、隣になったおじさんと話が弾んで面白かった。こういうのも旅の楽しみかのかもしれない。
電車を乗り継ぎ、宿のある心斎橋到着。酒食を確保してからチェックイン。洗濯しながらくつろぐ。体力ないので大阪の夜を楽しむには至らないのであった。どうでもいいが、ホテルのコインランドリーで妙にテンション高い外人に話しかけられてびっくりした。何なんだ一体?