「月様、雨が…」

帰宅しようと職場の外に出たら雨が降っていた。
雨が降るとは聞いてないぞ、と天気予報を恨みながら「蒼の稲妻」号を駆る。
最初は少雨であったが走れば走るほど雨粒は大きくなり、仕舞いには前が見え難くなり、とても危険だった。怪我なくて良かった…
それにしても走る前には「秋雨じゃ、濡れて参ろう」と某戯曲の有名台詞を捩ったりしてみた。風流もまた良し、と思った。しかし「月様、雨が…」と言ってくれる綺麗なお姐さんがいないので余計情けなくなっただけだった。そうか、私には「春」が来てないからね、と洒落てみたら更に悲しくなった。
秋来たりなば、春まだ遠し、というところか。季節も心も。