一番風呂

高校生の頃までは風呂の準備するのは私の仕事だった。そのささやかな代償として一番風呂の権利も私のものだった。
辛い世間に出て以来、すっかりその権利と義務は他の家族のものになったが、今日は久々にその義務と権利に与った。
江戸っ子でもないのに割合に熱い湯が好きなのに、家族の中では少数派。今日は私に丁度良い温度に仕立て、存分に味わう。まあ長湯はしないのだけど。準備は準備で面倒だが、好きな時に好きなように使えるのはやはり特権だなあ、と思う。