「鏡は横にひび割れて」の映画化。「ナイル〜」「地中海〜」と同じく、A.クリスティ生誕120年記念放送。
セント・メアリ・ミード村で新作映画の撮影が行われる事になった。主演のマリーナを始めそうそうたるメンバーの歓迎パーティーの最中、ゲストの一人が死亡した。ミス・マープルは推理を始めるが…と言う話。
アンジェラ・ランズベリーは「ジェシカおばさんの事件簿」でもおなじみで、推理好きのおばあさんとしてはいい感じ。ただ、ジェーン・ヒクソンはジェラルディン・マクイーワンのような「田舎のおばあさん」と比べると、些か「元気が良すぎる」感じをしたので最初の方は少し違和感がある。共演者はエリザベス・テーラーを始め、それこそ「そうそうたる」スターばかりで、物凄く贅沢である。特にE.テーラーの存在感がすごくて、キム・ノヴァクとの確執は妙に画面にパワーがあった。ただ、画面の派手さに比べて話は地味。そもそも原作が地味なミステリなので仕方ないけれど、最後までそういうミスマッチ感が少々気になる。とは言え、E.テーラーとR.ハドソンが夫婦で「『ジャイアンツ』かよ」と細かいツッコミ入れたくなったりするようなサービス要素が詰め込まれているので、色々と楽しめる作品に仕上がっていると思う。
今回はオリジナル音声＋字幕であったが、かつて放送された吹替版は、出演するスター達にふさわしい吹替陣だったと聞く。出来ればこちらも観たかったと思う。
