初物

諸君 私は西瓜が好きだ。
諸君 私は西瓜が好きだ。
諸君 私は西瓜が大好きだ。
(中略)

夏に食べる事が出来る ありとあらゆる西瓜が大好きだ。

振り上げた棍棒が気合と共に西瓜を割るのが好きだ。
割れた西瓜から飛び散る西瓜の果汁が砂浜に染み込む時など心がおどる。

熟練の職人が操る研ぎ澄まされた包丁が西瓜を割るのが好きだ。
ストンと音をたてつつまな板に転がる西瓜を更に包丁で細分する時など胸がすくような気持ちだった。

(中略)

諸君 私は西瓜を 果汁の滴る様な西瓜を望んでいる (中略)

更なる西瓜を望むか?
情け容赦のない飽食の様な西瓜を望むか?
鉄風雷火の限りを尽くし 三千世界のウリ科を食べ尽くす 嵐の様な西瓜を望むか?

(中略)

「西瓜!!西瓜!!西瓜!!」

(中略)

よろしい ならば西瓜だ。

我々は満身の力をこめて今まさに振り下ろさんとする包丁だ。
だがこの暗い闇の底で半年もの間 堪え続けてきた我々に ただの西瓜では もはや足りない!!

大西瓜を!!一心不乱の大西瓜を!!

(中略)

我々を忘却の彼方へと追いやり眠りこけている連中を叩き起こそう。
髪の毛をつかんで引きずり降ろし眼を開けさせ思い出させよう 。
連中に西瓜の味を思い出させてやる。
連中に我々の西瓜の音を思い出させてやる。

天と地のはざまには 奴らの哲学では思いもよらない事があることを思い出させてやる。

(中略)

2009年度 西瓜作戦 状況を開始せよ。

征くぞ諸君。


厳密には「今年初」ではないが、西瓜を食べたのでなんとなく。