昭和の風景、平成の風景

先日の事だが「二つの時代」を象徴するような風景に出会った。
一つは「昭和」。
帰宅途中、信号待ちをしていると数台のバイクがすり抜けて行った。それは良いのだが、搭乗者がハーフメットにだぶだぶのダーク系の服。二人乗りで夜目にも分かる派手なデコレーション。騒音を撒き散らし、信号待ちも出来ないのか赤信号を突破して蛇行運転。その姿はどう見ても昭和の時代の遺物、珍走団元号が変わってそろそろ成人式を迎えようかと言うのにこんな「遺物」が居たとは。田舎だ田舎だと思ってたが我が地元はまだ昭和なのか、と思った。
一方、とある書店では携帯電話片手にどう見ても購入していない「商品」である雑誌を片手に大声で携帯電話を使う男性を見た。黒っぽい作業着風に頭にはタオルを巻いている。高いだの他所にあるのが安いだの、控えめに言っても上品とは言い難い内容であったが、その人の周りにはトレーナー上下の三人が居た。同年輩の女性一人とそれより一世代は下と思われる男女。形容しがたい目つきで何処と無く似ている。多分親子か血縁者。こういう人達が傍若無人に振舞い、誰も止めないのが、悲しいかな間違った個人主義が広まった今の時代。嘆かわしいが注意も出来ない私に何も言う資格はない。
これが「平成」か。哀しい。
図らずも同じ日の近い時間で昭和と平成、二つの時代の風景を眺め、時の流れと停滞に思いを馳せる機会であった。